感動をカタチにする、空間づくり。
〜なぜ、あの空間は心地よいのか? 人の心に残り続ける「場」のデザイン哲学〜

はじめに
私の仕事の原点には、常に「感動」があります。
それは映画のワンシーンのように、あるいは旅先で出会った名もなき風景のように、言葉にはならずとも、心を震わせる感覚。
その「感動」を、いかにして「空間」というカタチに定着させるか。それが私のデザインにおける永遠のテーマです。
空間は、記憶を紡ぐ“舞台”である
空間とは、単なる機能的な箱ではありません。 人の暮らしが息づき、思い出が重なり、日々の出来事が織り重なる“舞台”です。
どんなに美しい家具を揃え、流行のスタイルをまとっても、それだけでは人の心は動きません。 本当に重要なのは、その空間を訪れた人が「何を感じるか」。 光の入り方、風の通り道、音の響き、素材の手ざわり。 五感を通して、その人らしさや、その場に宿る“想い”が、静かににじみ出る空間こそが、人の心に残り続けるのだと確信しています。
設計事例:マンションエントランスに込める「第一印象」と「余韻」
私はこれまで、住宅、モデルルーム、店舗、リノベーションと、多岐にわたる空間づくりに携わってきました。 そのすべてに、異なる「物語」が存在します。 設計者として、その物語を丁寧に読み解き、空間へと翻訳していくことが私の役割です。
ここで、私が特に大切にしている空間のひとつ、「新築マンションのエントランス」を例にお話しします。
エントランスは、建物の品格を決定づける“顔”であり、住まう人とゲストが最初に出会う空間。 つまり、その印象が、建物全体の価値を左右すると言っても過言ではありません。 私がデザインする上で基軸に置くのは、「第一印象」と「余韻」です。
それは、単なる通過点ではなく、「感情を転換させる装置」として設計されます。
外部の喧騒から内部へ。一歩足を踏み入れた瞬間に、空気が変わる。心が静まり、プライベートな領域へ帰ってきたという安堵感に包まれる。
そのために、素材、光、音、動線、そして空間の「間」といった、あらゆる要素を緻密に設計します。
例えば、床材は外部との連続性を保ちながら、内部では柔らかな間接照明が迎え入れる。 天井高に変化をつけることで、空間に抑揚とリズムを生み、緊張から開放へと導く。 そして、そこに静かなアートを添えることで、知的な感性に訴えかけるのです。
目指すのは、豪華すぎず、地味すぎず、その建物にふさわしい「気品」と「ぬくもり」。 そして何より、住まう人が日々「帰ってくるのが楽しみになる」と感じられること。 その一点を目指し、私はプロジェクトに臨んでいます。
おわりに
このブログでは、こうした空間づくりの思考プロセスや、デザインの工夫、素材選定の哲学、そして実際のプロジェクト事例などを通じ、「感動をカタチにする」というテーマを深く掘り下げていきます。
目に見えない「想い」を丁寧にすくい取り、具現化すること。 そのために、常に人の声に耳を傾け、素材と対話し、光や風の動きまで感じながら、空間と真摯に向き合い続けます。
このウェブサイトが、空間に興味を持つすべての方々にとって、新たなインスピレーションの源となることを願って。
そして、いつかあなただけの「感動」を、私と一緒にカタチにできる日が来ることを、心から楽しみにしています。
